2022年1月から放送予定の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
その「鎌倉殿の13人」において主人公の北条義時の姉、源頼朝の妻として登場するのが北条政子です。
北条政子というと日本三大悪女(北条政子・日野富子・淀君)に名を連ねていて、一般的には怖い女性という印象を持たれているのではないかと思われます。
しかし1979年放送「草燃える」や2022年放送予定の「鎌倉殿の13人」などの大河ドラマへの登場で北条政子の単純に「悪女」という評価にも変化が見られるように思います。
では実際北条政子とはどんな人なのか?「鎌倉殿の13人」の放送を楽しむためにも知っておきたいところですよね。
ということで今回の記事では北条政子とはどんな人なのか?悪女なのか?エピソードや政子役女優の政子評を元に考察してみたいと思います!
北条政子は悪女なの?鬼嫁エピソードまとめ!
日本三大悪女に名を連ねる北条政子ですが、なぜ悪女と評価されるようになったのか?
その理由としては
- 嫉妬深かった
- 家族よりも権力を優先した
これらが理由として挙げられます。
1つずつ見ていきたいと思います。
北条政子は嫉妬深かった?
それではここでは北条政子が嫉妬深かったことが窺えるエピソードをいくつかご紹介したいと思います。
①亀の前事件
北条政子が妊娠中、夫である源頼朝が亀の前という女性と浮気をしていたことが発覚。
政子は怒り狂い浮気相手の亀の前邸を破壊させます。
亀の前は命からがら逃げ出したそうです💦
②祥寿姫への恋文
祥寿姫は頼朝の異母兄にあたる源義平の正室で、1160年に夫である義平が処刑されてからは未亡人となっていました。
祥寿姫は美しく魅力的な女性だったのでしょう。頼朝が恋文を送っています。
しかし祥寿姫からの返信は待てど暮らせどありません。
頼朝はたまらず祥寿姫の父親である新田義重に「なんで?」と問い合わせます。
なんと話を聞いてみると父親の義重が政子の嫉妬を恐れて祥寿姫をほかの男に嫁がせてしまっていたというのです。
頼朝も唖然としたのではないでしょうか……。
③丹後局の悲劇
丹後局は「鎌倉殿の13人」の有力御家人の内の一人である安達盛長の妻です。
丹後局も魅力的な女性だったのでしょう。頼朝に仕えていた丹後局は頼朝と関係を持ち子を身籠ってしまいます。
もちろんそれを知った北条政子は大激怒。
政子に殺されることを恐れた丹後局は逃亡することに……。
政子が生きていた当時は一夫多妻制であり夫である源頼朝が正妻以外の女性と関係を持つことは別段おかしいことではありませんでした。
ですが頼朝は政子の嫉妬を恐れてバレないようにコソコソ浮気をしていたのだそうです。
この辺は政子と頼朝の独特の関係性があったればこそ成立したことで、当時としてはとてもめずらしい異例のことだったようです。
家族よりも権力を優先した
北条政子が悪女と評価される理由としては権力への執着があります。
政子は権力闘争の中で血を分けた身内にも容赦のない態度をとっています。
①息子の源頼家を伊豆に追放
旦那である源頼朝が天に召された後、息子で長男の頼家が将軍に就任し後を継ぎます。
しかし
- 頼家の独裁政治を抑えるために有力御家人13人による合議制になる
- 頼家は蹴鞠が大好きで遊んでばかりいた
- 頼家の失政が続いた
- 政争の中で政子の実家である北条家を討伐する命令を出してしまう
ということもあり政子によって将軍職をはく奪され伊豆に追放されてしまいます。
そして頼家は追放先のお寺で入浴中に暗殺されてしまうのです。
②父親の北条時政を伊豆に追放
頼家追放後は弟の実朝が将軍の座に就きます。
それと共に父親の北条時政が初代執権に就任。
時政は後妻の牧の方と図り政治の実権を握ろうと動き出します。
そして
- 実朝を廃して牧の方の娘婿の平賀朝雅を将軍の座に据えようと画策
この時政の動きを察知した政子は時政を伊豆に追放してしまいます。
このように政子は身内である息子や父親に対しても権力争いの中で容赦のない態度を執っています。
そういう行動が非情で権力欲の強い女性と捉えられ悪女という評判になっているようです。
北条政子の良い面は?
しかし政子は悪女という怖い一面を持つ一方でとても人情味のある人物であることがエピソードとして残されています。
①静御前への配慮
静御前は源義経の側室です。
義経が兄頼朝と不和になり追われる身となり、静御前は捕えられ頼朝のいる鎌倉に送られます。
そこで白拍子という歌舞の名手だった静御前は頼朝・政子夫妻の前で披露することを命じられます。
そこで静御前は離れ離れになった義経を慕う内容の歌を披露します。
これに頼朝は激怒しますが政子がそれをなだめます。
「私のあの時の愁いは今の静の心と同じです。義経の多年の愛を忘れて、恋慕しなければ貞女ではありません」
政子は流人であった頼朝と恋愛結婚しているが、その時の自分と現在の静御前の境遇を重ね合わせ静御前の気持ちを理解してあげているのです。
このエピソードを聞くと政子という女性がサイコパスのような冷酷非情な人ではなくとても人情味のある女性だったということが分かりますよね。
②息子や娘の死を悲しむ
北条政子には頼家、実朝、大姫、三幡という四人の子供がいました。
しかしことごとく四人とも若くして天に召されています。
中でも頼家と実朝は暗殺されるという死に方をしています。
次男の実朝が暗殺された時の政子の言葉が残っています。
「子供たちの中でただ一人残った大臣殿(源実朝)を失い、これでもう終わりだと思いました。なぜ尼一人(北条政子自分のこと)が憂いの多いこの世に生きねばならないのか。川に身を投げようとさえ思ったのであります。」
このように述べており息子の死をとても悲しんでいるのが分かります。
もちろん他の息子や娘が死んだときも深い悲しみに打ちひしがれています。
このように北条政子は権力のためならば自分の親や子供であっても容赦のない態度をとる怖い人・悪女と思われていますが、一方では愛情深いエピソードも残されておりその実情はとても人情味のある女性だったというのが分かりますよね。
北条政子とはどんな人?小池栄子など演じた女優の評価は?
※「草燃える」政子役の岩下志麻
北条政子とはどんな人だったのか?
どんな人だったのか知るためには北条政子をよく知る人物の話を聞くのが一番だと思います。
その点でいうと大河ドラマで政子役を演じた女優さんの政子評というのは気になるところです。
ということで政子を演じた
- 1979年(昭和54年)大河ドラマ「草燃える」政子役、岩下志麻さん
- 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」政子役、小池栄子さん
こちらのお二人の政子評を見ていきたいと思います。
まず岩下志麻さんは政子について
「政子は猛女とか悪女といわれていますが、夫の頼朝や子供たちを愛した優しい女性でもあったと思えたのです。夫の愛人の家を焼き払ったりする嫉妬深さ、気性の激しさはありますが、本当は一本気でかわいい女性なんです。だから私が感じたなりの政子像を作りたいと思ったのです」
と評価しており、政子については”一本気でかわいい女性”だと話しています。
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続いて小池栄子さんの政子評を見てみたいと思います。
「女として、母として、強く、愛に生きた政子は、『一途』という言葉がぴったりな最高にカッコイイ女性だと思います。」
「『猛女』とよく例えられますが、そうではない、それだけではない魅力的な政子として視聴者の皆様の記憶に残れるよう気合を入れて頑張りたいですね!」
と話しており岩下志麻さんの”一本気”と同じ意味の”一途”という評価をしています。
岩下志麻さんと小池栄子さんの政子評を見ても分かる通り北条政子は一般的には猛女とか悪女といわれているけどそれは政子の一面であり多角的に見るととても魅力的な女性なんだということが分かります。
つまり政子の生きた時代が日本史的にはあまり人気のない時代だったということもあり、ほとんどの人が北条政子に興味を持つことなく現在にいたるということが政子が悪女といわれる一番の理由なのではないかと思います。
もっと多くの人が政子を知りその人柄を理解すれば自ずと政子に対する一般的な評価というのも変化していくのではないかと思います。
そういう意味では2022年からの「鎌倉殿の13人」では北条政子が一年を通して出演しますので、多くの人の北条政子に対する印象が大きく変化する年になるかもしれないということですね。
小池栄子さん演じる北条政子が多くの視聴者の記憶に残る存在になれるのかというのも「鎌倉殿の13人」の一つの見どころといえるのではないでしょうか(^^)
北条政子とは?どんな人なのか簡単に解説!悪女エピソードや政子役女優の評価を元に考察してみた!まとめ
今回の記事では北条政子とはどんな人なのか?悪女なのか?エピソードや政子役女優の政子評を元に考察してみました。
北条政子はその当時としてはめずらしい恋愛結婚をしています。
嫉妬深くて夫の浮気相手の家を破壊したこともありました。
しかし一方で静御前に見せたような優しさを備えていた女性でもありました。
これらの政子の身に起きた出来事を見るととても現代的な人だなと思いましたね。
なんか現代にいても違和感がないと思えるくらい今っぽいのです。
一途で純粋な北条政子は時代の風習に囚われることなくありのままの自分で生きた女性なのかもしれませんね。
2022年放送の「鎌倉殿の13人」では小池栄子さんがどのような北条政子を演じて見せてくれるのか今から楽しみです(^^)
NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 鎌倉殿の13人: 北条義時とその時代
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
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