推理小説家・横溝正史さんの数ある作品の中でも屈指の名作といわれる「犬神家の一族」
犬神家の一族はこれまで映画が3本、TVドラマが8本製作されており中でも1976年に公開された映画版は日本映画の金字塔と称されるほどの名作なんです。
その1976年公開の映画版犬神家の一族というと
- 音楽担当は大野雄二(テーマ曲「愛のバラード」は名曲中の名曲)
- 俳優陣には石坂浩二・高峰三枝子・島田陽子などのオールスターキャスト
など注目度の高さもあり大ヒット。
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その犬神家の一族のなかでも特に印象的なシーンとして「湖から飛び出た足」があります。
ネット上をみるとあの足は誰の足なの?と疑問に思っているかたが一定数おられるようです。
ということで今回の記事では犬神家の一族(1976年公開映画版)の湖から飛び出している足は誰なのか?その逆さ足の意味などご紹介したいと思います!
犬神家の一族のスケキヨの足は誰?逆さ足の意味とは?ネタバレ注意!
犬神家の一族の中でも特に印象深いシーンである湖から飛び出た足のシーン。
あの逆さ足についてネット上をみると
- あれは誰の足なの?
- どうしてシンクロみたいに逆さになっているの?
など疑問に思われているかたが多数おられるようです。
その疑問について1つずつ見ていきたいと思います。
疑問その1 あれは誰の足なの?
まずあの湖面に逆さで突き立てられた足は誰の足なのか?
ストーリー的には
「斧、琴、菊」=「よき、こと、きく」
による見立て殺人の「斧」=「よき」を暗示させる殺人で、死体の顔が潰されていたということで当初はみんな佐清(スケキヨ)なのではないかと思っていました。
しかしその死体の指紋を調べると佐清の指紋と一致しませんでした。
ではその死体(逆さ足)は誰なの?となるわけです。
結論をいうと湖から飛び出た足は青沼静馬(あおぬま しずま)の足だったのです。
犬神家の一族のストーリーはけっこう複雑であの逆さ足が青沼静馬の足なんですと言われても「へぇ~」となるだけで依然として犬神家の一族のストーリーがよくわからないというかたは多いのではないかと思われます。
でもまぁよく分からなくても面白いというのが横溝作品の1つの特徴だと思いますので、それはそれでいいのではないかと思います(^^)
疑問その2 なぜシンクロみたいに逆さになっているの?
では次に青沼静馬の死体は湖から足が飛び出た姿で発見されたわけですが、なぜそんなかっこうで発見されたのでしょうか?それには何か意味があるのでしょうか?
実はあの逆さ足には意味があってあれは「判じ物」(はんじもの)だったのです。
判じ物とは文字や絵画に隠された意味を当てる謎解きのことなんです。
その物に込められた意味の謎を解くなんて推理小説っぽくていいですよね~(^^)
ではあの逆さ足にはどんな意味が込められていたのでしょうか?
あの逆さ足は判じ物で「ヨキ」=「斧」を暗示していたのです。
その点については原作において名探偵・金田一耕助が謎解きをしています。
スケキヨの名前を二つに割りかつ逆さにすることで
「スケキヨ」→「ヨキ」「ケス」
になり死体の半分が水中に没しているため「ヨキ」を意味していると。
とにかく前述のとおり犬神家の一族のストーリーはかなり複雑で、この青沼静馬殺害は犯人にとっては想定外のことだったわけなんですが、その点についてもなぜそんな想定外なことが起きたのかよく分からないというかたは多いのではないかと思われます。
まぁでもとにかく犬神家の一族はそれでもとても面白く今でも多くのひとを魅了しているわけですから横溝先生はすごいな~と思いますね(^^)
湖から出た足 本当は遠藤さんの足?それともレプリカ?【撮影秘話】
ではここでは犬神家の一族における名シーンの1つ「湖から飛び出た足」の撮影秘話をご紹介したいと思います。
あの「湖から飛び出た足」のシーンは長野県大町市にある仁科三湖のなかの1つである青木湖で撮影されました。
その「湖から飛び出た足」の正体については2つの説があるのです。
- 地元のかたのエキストラだった
- レプリカだった
ここではその2つの説をご紹介していきたいと思います!
①「湖から飛び出た足」を演じたのは地元のエキストラ(遠藤久八さん)だったという説
- 遠藤久八さんの画像
- 引用元:Twitter
まず第一の説として「湖から飛び出た足」は地元住民の遠藤久八さんの足だったというものがあります。
地元長野で林業を営んでいた遠藤さんは急遽エキストラとして抜擢されて映画に出演したのだそうです。
あの足はスタントマンなどの足ではなくエキストラのかたの足だったようなんです。
だとすると、どうやってあの逆さ足を撮影したのかなど気になる点は多いですよね。
ちなみにギャラは1万円だったそうです( ゚Д゚)
当時の1万円は現在の3万円くらいの価値なんだそうですが、こんな大変なシーンなのだからもっともらっても良かったのではないかと個人的には思いました。
まぁその辺も昭和的で、だからこそこんな素晴らしい作品ができたのかもしれませんね。
②「湖から飛び出た足」はレプリカだったという説
「湖から飛び出た足」は1976年製作の映画「犬神家の一族」において造形担当の安丸信行さんが製作したレプリカだったという説があります。
「湖から飛び出た足」は製作当時、東宝美術で安丸さんの助手をしていた好村直行さんの足の型をとったものなんだそうです。
助監督をしていた浅田英一さんは「湖から飛び出た足」のシーンで使われたのはこのレプリカで、地元の人ではないと証言しています。
さてどっちが正しいのか?
忘れていた件について補足。
『犬神家の一族』の「足」を引き上げる場面は、長野県の青木湖で1976年6月30日に撮影された。その際の報道記事によれば、合成樹脂で精巧に作られた、製作費200万円の遺体の人形が用いられたそうだ。この記事が正しいと、地元の人が全身を演じたかどうかは疑問が・・・。 pic.twitter.com/f7To3Uhpp8
— 中井寛一 (@ichikawakon) March 2, 2022
もしかしたらエキストラの遠藤さんとレプリカを併用して映画で使用した可能性もありますよね。
しかし、かれこれ40年以上も前のできごとなので何が真実なのか分からないというのが正直なところだと思います。
その辺の不確定なところも犬神家の一族の魅力といえるのかもしれませんね(^^)
犬神家の一族のスケキヨの逆さま足は誰?逆さ足の意味とは?撮影秘話も!まとめ
今回の記事では犬神家の一族(1976年公開映画版)の湖から飛び出している足は誰なのか?その逆さ足の意味などをご紹介しました。
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この「湖から飛び出た足」は映画公開後、映画のヒットもありパロディーなどで多用され子供を中心にプールで真似する人が続出したのだそうです。
ということもあって当時プールには「犬神家禁止」という張り紙があったのだとか(^_^;)
そのエピソードも古き良き昭和という感じですよね。
令和の現在もその「湖から飛び出た足」の真似をする人がいるのかどうかは分かりませんが、とっても危険だと思いますのでケガには注意したいものですね(^^)
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
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